2014年05月

12
いつからだろう
背中に川が流れている
岸辺には
大きな榎の木がある西班牙旅遊

その川には
エノハという美しい魚が棲んでいた
むかし
榎の葉っぱが魚に変身するのを
おじいさんは見たという

退屈な日々のあけくれ
水を裂いて銀色の魚体がさっとよぎる
歓喜にふるえたのは頭油過多
透明なナイロンテグスだったか
それとも少年の指だったか

掌にのこる
小判のような葉っぱをもとめて
瀬から瀬へ
エノハの水にいくども溺れた
私には鰓がないのだった

その川のそばで
母はひたすら眠りつづけている
夢の中で帰っていくのは
とっくに廃屋となった昔の家らしい
まだら模様の記憶の道を
歩けるのだろうかMathConcept數學
泳げるのだろうか

かつてその川で
母が泳ぐのをいちどだけ見た
体を斜めにして
手足を伸ばしたり縮めたりしていたが
あれは水面に落ちた
緑色の昆虫だったかもしれない

背中に川が流れている
ふと榎の葉っぱが水に落ちる
母も私もおなじ
鰓のない私たちは
美しい魚にはなれないだろう

11
その年の夏、蟷螂(カマキリ)を何匹も捕まえて虫かごに入れていました。
なぜかその風貌に惹かれたのです。
あの独特の動きと格闘技の達人のようなたたずまいに魅入られていたので

翌日、虫かごを覗くとあら不思議な事に、八匹ほどいたカマキリが三匹になっています。
かごの周りを調べても逃げられそうな穴などどこにもありません。

次の日になると、カマキリは一匹になっていました。
かごの中には、バラバラになったカマキリの死体が転がっています。
そこで初めて理解しました。
共食いをしたのです。

四、五日すると残ったカマキリが弱っているのが判りました。
餌と水を与えていないせいだと感じた私は、かごから取り出します。

餌を見つけるより先に水を与えてやろうと、コップに入れてきた水をちょっとずつ掛けてやりました。

しばらくすると、ぐったりした体とは別におなかの辺りが大きく波うち始めます。
すると、おなかから細い針金のような物が出てきました。
内臓かと思いきや、まるで違う生き物のようにくねくね動いています。
私が指を差し出すとツタのように這い上がって絡み付いてきました。

「さわるな!。」
鋭い父親の声が響きました。
慌ててはずそうとしてもなかなか取れません。

「これは、ハリガネムシと言って、人間の体にも入り入られたら死ぬぞ。」
そう脅された私は、その気持ち悪さと怖さからカマキリ自体に触れなくなってしまいます抗衰老

それにもかかわらず、カマキリの巣を収集してしまっていました。

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