2014年06月

3
この夏、大阪港を周航するサンタマリア号に乗った。
海風に乗って、コロンブスという言葉が、とても遠いところからやってきた。
古い友人に会ったみたいだった。古い時代に戻ったみたいだった。
サンタマリア号、新大陸発見、コロンブスの卵などの言葉が飛び出してきて、茶色に変色した古い本のページを開くようだった。

500年という歳月を遡る。
地球は球体である、と信じ始められた時代だ。西に進めば東端にたどりつく、とコロンブスは信じた。スペインの港から海を渡ればアジアの東端に着く。そこにあるのは、黄金の国ジパングだった。コロンブスはマルコ・ポーロの『東方見聞録』を読んでいた。金への欲望は強かった。
1492年8月3日、3隻の帆船と90人の乗組員とともに、彼はサンタマリア号で大西洋に乗り出した。

なかなか大地の東端には辿り着けなかった。日が経つにつれ、まだ地球が平面だと信じている水夫たちもいて、果てのない海を漂っているような不安にかられた彼らは、引き返すべく暴動を起こしかねなかった。
やっと流木などを発見したコロンブスは、陸地が近いことを確信し、水夫たちをなだめる。
2か月の航海ののち、一行はバハマ諸島のひとつの島に着く。のちにサン・サルバドル島と名付けられる島であり、これが新大陸の入口となった。

12
妹は一日おきに施設を訪ねているが、そのたびに母は、妹が初めて訪ねてくれたと言って淋しがる。それでいて、ケアマネージャーには、妹が毎日来てくれることが唯一の楽しみだと言ったりするという。まばらになった記憶が、時と場所をこえて繋がったり切れたりするようだ。
手紙の中で、妹は母の頭の中を推量している向日葵纖體美容
「私たちは、まばらではあっても記憶が一本の糸で繋がっているのだけど、ばあちゃんにはもうその糸が無くなり、桜の花びらが舞ってるみたいなのかもしれません。年代に関係なく、その花びらの一枚がひらひらと目の前に落ちてきたとき、その一枚の記憶がかすかに蘇ってくるのかもしれませんね」向日葵纖體美容

前の施設はわが家の菩提寺の隣にあったので、母は窓から寺の屋根に手を合わせて拝んでいたが、こんどの施設からは、以前に母が月参りをしていた一言稲荷の鳥居が見えるので、そのことも喜んで手を合わせているという。
そのお稲荷様と繋がったのかどうか分からないが、駅前で商売をしていたことなどを介護スタッフに話したという。比較的新しいその頃のことは、母の記憶からすっかり抜け落ちていると思っていたので、妹にとってその話は驚きだった向日葵纖體美容

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